更新日:2016年12月19日
「ステロイドなんか子どもに使わせない!」
「風邪で抗生物質を処方する医者は信用しない!」
良く聞くフレーズです。
また、様々な質問サイトに、「医者に〇〇を処方されたんですが、この医者の判断は正しいですか?」とか「飲んでも大丈夫ですか?」とか、そんな質問も良く目にします。
昔と違って情報化社会なので、医者から出された薬の名称をググれば、すぐにその情報を引き出すことができます。
副作用なんかは怖い症状ばかりが列挙されていて、親御さんも不安になるのも分かるのですが・・・。
反面、「医者も親御さんのにわか知識で色々言われて大変なんだろうなぁ」と拝察するわけです。
「素人は黙って、俺の処方した薬飲んで治せ!!」
って心の中では言っているんではないでしょうか。
うちの嫁様も、どちらかというと薬の内容を見て「えっ?ステロイド入ってる!!」とか言っちゃうタイプ。
でも、そのぐらいで済んでるから可愛い方です。
世の中には、医者から処方されたけど親の判断で飲ませないとか、医者に連れて行くと抗生物質出されるから連れて行かないなんていう親御さんもいるようで。
まっ、自由ですけど、あまり過敏になってもね。と思うわけです。苦しんでるのは子どもですから・・・。
世界保健機関(WHO)は副作用を次のように定義しています。
有害かつ意図されない反応で、疾病の予防、診断、治療または身体的機能の修正のために人に通常用いられる量で発現する作用
要するに通常量使用しているなかで発生する、本来目的とする作用(風邪を治すとか)以外の有害な作用ということですね。
薬の説明には沢山の副作用が列挙されていますが、副作用が全て同じ割合で発生するわけではありません。発生割合が少ないものまで列挙されているので、無用に不安を抱くかもしれません。
逆に副作用のない薬というのはあるんでしょうか??
本当に副作用で苦しんでいる方も一部おられますので、あまり軽口叩くわけにもいかないのですけどね。そのような方がこの記事を目にされ気分を害されたら申し訳ございません。最後までお読みいただいて、この記事の意図を汲み取っていただければと思います。
確かにステロイドだけは副作用が強いし、長く飲み続ければ医者の処方どおりであっても絶対と言うほど副作用は現れます。良い例はムーンフェイス。
私も「潰瘍性大腸炎」という病気を患っていますので、過去はステロイドをのみ続けて、顔がアンパンマンのようでした。さすがに数ヶ月飲み続けたときは、他の副作用も心配にはなりました。
とはいえ、1ヶ月程度の服用であれば心配する必要もないと思いますし、体内への吸収が少ない塗り薬であればなおさらです。
基本的には医者の言うとおり使えば、大病でない限り、過剰な心配はしなくても良いんじゃないかと思います。
冒頭書いたとおり、ステロイドや抗生物質という言葉を聞いただけで抵抗感を持つ親御さんがいます。
また、医者によって出す薬が違うのも確かです。
では、なぜこれらの薬を出す医者がいるのか。
私は医者でないけど、答えは簡単。
その先生の判断として、
「それを使えば良くなると診断したから」です。
「それを使うことが患者のため」と思ったからです。
医療の世界ではQOL(クォリティーオブライフ)って言葉を良く耳にします。特に大きな病気をなさっている人に対しての話ですけど、風邪などの一般的な症状にも当てはまると思います。
ほっとけば治るけど、「ずっと鼻をたらしていることが幸せか。」、「ずっと咳をしていることが幸せか。」、「ずっと痒いのが幸せか。」
「せっかく来てくれたのだから、早く治してあげて元気に遊ばせてあげたい。」
QOLの観点から、このように思う医者も多いんじゃないのかな。
何のために医者に子どもを連れてきたの?早く治させたいためだよね。早く楽させてあげたいからだよね。
まさにお医者様も、患者様の期待に応えたいのですよ。
場合によっては、ステロイド使うのは副作用があって可愛そうだけど、副作用の心配よりも患者さんの状況から、症状の緩解の方が優先度は高いとの苦渋の選択だってあると思います。
何を優先すべきかは医者も三者三様でしょうから、処方される薬が医者によって違うのはしょうがないです。
製薬会社が、医師への接待を通じて自分の会社の薬を使ってもらうといったこともありましたけど、最近はこれも禁止されましたので、本当に良い薬と思って処方していると信じましょう。
だから、あまり医者の出した薬に文句は言わないで。
当たり前ですが、親のにわか知識よりも、今まで何人もの患者を診て、何人もの患者に同じような薬を処方してきた医者の知識の方が勝ってます。
また、処方された薬について、最近は薬剤師もしっかり確認をしています。昔よりもかなり安全に配慮がなされる世の中になってきました。
あまり医者の出した薬に「あぁだこうだ」言わないで、まずは飲んでみましょう。
飲んでみてしっかり治れば良いじゃない。
飲んでみて治らなければ、薬がいけないのではなくて、薬が効いていないのでしょうから、そもそも誤診です(笑)
うちの子の今の主治医は、どちらかと言えば抗生物質をすぐ出す医者です。でも、そのお陰で重症になることはなく、軽度なうちに治ってます。
大人であれば、「化学的に合成された物質を取り込むこと自体が生活の質(QOL)の低下である!」と思って、痛みなどの症状を我慢したりすることは、その方の考えだと思いますが、何も分からない子どもにとってはどうでしょう。
辛いのは親じゃない!子どもです!
親のエゴで子どもを苦しめちゃいけません。
それと、ネットに出回ってる情報の全てが正しいわけではないです。不安なときには悪い情報ばかり入ってきます。また、記事の書き方1つでその印象も違います。
誰が書いたか分からないQAよりは、まずは目の前にいる医者の考えかなって思いますよ。
一つお医者様にお願いするとすれば、最近は不安に思う人が多いでしょうから、いつも当たり前のように処方する薬でも、処方においては丁寧な説明をしていただければと思います。それが信頼に繋がると思います。
本当に小児科の先生って気を遣う仕事ですね。。。。